2013-02-10

パンダ、アジアで売れっ子 日本ではコアラに完敗 菓子の話ですが…

 日本では四半世紀前に姿を消した明治のチョコレート入りビスケット菓子「こんにちはパンダ」が、東南アジアで売れている。ロッテの「コアラのマーチ」と、国によっては人気を二分する勢いだ。
 東南アジアでの商品名は「ハローパンダ」。
ビスケットはパンダの頭の形、一つ一つに野球やスキーなどをするパンダの絵が描かれている。歯ごたえはコアラのマーチより少し軟らかい。

 日本では1987年から1年間売られた。86年に東京・上野動物園でパンダの赤ちゃん「トントン」が生まれ、人気にあやかろうとした。だが、東京・多摩動物公園にコアラが初来日した84年にロッテが発売した「コアラのマーチ」に完敗し、パンダは販売終了に。コアラに勝てる見込みはないとみて、販売再開は「考えていない」(明治)という。 

 ところが、東南アジアでは、事情が異なる。91年にシンガポールで試しに「ハローパンダ」を売ったら好評だった。2012年のシンガポールでの販売量は00年の2.5倍に伸び、「コアラのマーチ」を上回るという。昨年、シンガポールの動物園でパンダが公開され、人気者になっていることも追い風だ。
 ロッテは、09年にタイで「コアラのマーチ」の現地生産を始めた。タイやベトナムで売り上げを伸ばしている。だが、ベトナムでは「コアラという動物がパンダほど知られていない」(ロッテのベトナム現地法人の内堀啓一社長)といい、コアラの着ぐるみをスーパーに連れていくなど認知度のアップに努めている。
                           「朝日新聞」(2013年2月10日朝刊)