2013-03-15

アジアで売る 挑む日本流:下 コンビニ、現地化追究 ライバルは屋台

ファミリーマートの
商品開発会議
ベトナム・ホーチミン市のファミリーマート現地法人で2月上旬、デニッシュにツナと乾燥させた豚肉をはさんだ試作品を社員や日系の食材卸会社員たちが囲んでいた。週1回の商品開発会議だ。
 「いいと思う人?」の声にベトナム人社員の女性6人らが手を挙げた。日本人が異論を唱える。「ツナと豚肉、両方入れるの?」
 議論を重ねたところで、菊川昌彦・商品担当部長が「ベトナムの人は肉と魚が両方入った食感が好きだよね?」と仲裁した。ベトナム人たちは自分たちの感覚が言葉になって自信を持ったようだ。会議は「これでいこう」と結論を出した。
 
 コンビニエンスストアはデフレに苦しむ日本でも手堅く店舗網を広げてきた。だが国内は昨年5万店を超え、成長の余地も限られてきた。大手は東南アジアに舞台を移し、また競争を始めている。
 
 進出合戦が激しくなりそうなのがベトナムだ。1人当たり名目GDP(国内総生産、2011年)が1407ドルとアセアン10カ国中7位。ここでの「食」をめぐる取り組みは各社の悩みや課題を浮き彫りにする。
 日本での店舗シェアは、首位セブン―イレブン、2位ローソン、3位ファミマと続く順位が固定化しつつある。ただ5位のミニストップもベトナムでは巻き返しが可能だ。
           朝日新聞(2013/3/15 朝刊)      → 「朝日新聞デジタル」のお申し込み