襲撃した男たちが 乗り捨てていった車 |
8日、記者が村に入ると、入り口には焼かれた乗用車など約30台が転がっていた。村民たちによると、先月22日、車70台とバイク100台に分乗した300~400人の男たちが突然村にきた。鉄パイプやシャベルを手に村の女性5、6人に無言で襲いかかった。約80人の村民たちが駆けつけ、丸太などで応戦。さらに多くが加勢すると、男たちは逃げた。村民6、7人がけがを負った。
■省政府に期待
発端は村長が1月中旬、マフィアが黒幕とされる企業に村の農地を売ったことだった。村の幹部会議で出席サインを白紙に書かせ、売買契約書を上書きしたという。価格は相場の4分の1。村民たちは2月11日に汚職の疑いがあるとして村長を追及。村長は村を出た。男たちの襲撃はマフィア側によるものとみられる。
村長は昨夏、村を管轄する地元政府から選挙を経ずに派遣された。地元政府は村長を解任。警察は今月1日、襲撃した男たちのうち8人を拘束したが、外部との接触を断つため、村につながる全ての道路は封鎖されている。
ある男性村民(43)は「地元政府は腐敗してマフィアと結託している」と話す。
北京で開かれている全国人民代表大会(全人代)の会期が終われば報復されると恐れる村民たちは、地元政府の職員や警察が村に入ることを拒否し、交代で襲撃の証拠となる現場を守っている。望むのは広東省政府からの連絡だ。
朝日新聞(2013/3/9 朝刊) → 「朝日新聞デジタル」のお申し込み